私の愛しい、奴隷さま

 一歩、二歩、三歩……窓から部屋の入り口のドアまで大股で歩いて九歩だった。では普通の歩幅で……一歩、二歩…………十三歩。数が悪い。もう一度。今度はやや歩幅を狭めて窓の方へ戻る。  一歩、三歩……八歩、今度は十四歩。  マ…

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逢瀬 2

 仁兄と交わった後、ラブホテルを出て近くのハンバーガーショップに入った。  繁華街に近いせいか、いろんな種類の人たちで程よく混んでいた。  週末なのにスーツを着た金髪の若い男と派手な化粧で体の線がばっちり浮き出たワンピー…

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四葉のクローバー

二十七歳の誕生日は、メールやSNSの掲示板に友人から『おめでとう』というメッセージが書き込まれ、そして大抵、一緒に『結婚おめでとう』と付け加えられていた。  私はそれらのコメントに『ありがとう』と返事を打ち、ディスプレイ…

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二人の騎士

 中学二年。告白はこれで二回目。  一人は同級生で、もう一人は一学年上のバスケ部の人だった。どちらもあまり好みの顔ではなかったので、断った。結構、私は面食いだ。揃いも揃って兄たちのスペックが高いのでそこは仕方がないと思う…

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検事 久賀丞已 ~Heart 2 Heart

また、あの夢だ。 篠塚雅季(しのづか まさき)はベッドの中で目を覚ましたまま、動けないでいた。 嫌な汗がパジャマの背中を湿らせている。乱れた呼吸を落ち着けようと、深呼吸を試みる。 夢の中では自分は常に十歳だ。十九年の間、…

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女体化、とか。(中編)

 俊は、ネット注文で頼んだ電子レンジ、冷蔵庫、洗濯機を業者が速やかにセッティングして行った部屋を見回し、一人悦に入っていた。  志望大学に合格してから生協を通して探した物件は新築ではなかったが、小綺麗で、収納スペースも十…

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女体化、とか。(前編)

 目が覚めると、高嶺俊(たかみね しゅん)は保健室のベッドの上だった。  ぼんやりとした意識と視界の中になんとなく見覚えのある白い天井と消毒液の匂いが入り込んで来た時、その乏しい情報からでも、ここが学校の保健室だとわかっ…

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鬼より強い桃太郎(性的な意味で)

桃太郎の幼馴染の千夏は、彼に淡い恋心を抱きつつも、普段から女癖の悪い彼に辟易している。さらに、彼が鬼退治に行かないと言い放った日には、千夏の堪忍袋の緒も切れ、彼女は一人鬼ヶ島に向かう。 「モモっ!! 桃太郎っ!! あんた…

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レッスンはホット&スウィート

「いろいろ考えたんだけど、初夏だし、メキシカンはどうかなと思って。『モーレ・ポブラーノ』っていうんだけど。鶏肉の煮込み料理。知ってる?」   新城隆也(しんじょう たかや)が、鶏肉の塊に塩をすり込みながら調理台の向こうか…

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